研究課題
ヒト高変異ミニサテライトの生殖細胞の減数分裂時のゲノム動態の謎は、現在も不明の点が多く、ヒトゲノムDNAの分析だけでは実証不可能である。このため、マウスによってモデル動物の作製検討がされたが、導入されたミニサテライトは生殖細胞系では全く変化せず、生殖細胞系の数百分の一の変異率しか示さない体細胞系の非特異的変異だけがわずかに観察されただけであった。最近になって、わが国ではメダカのゲノム研究が盛んになってきており、われわれも、メダカを実験動物として、ミニサテライトのゲノム不安定性の研究に着手した。平成19年度は、トランスミニサテライトメダカの作成が本格化した。GO世代にインジェクションを行っていない個体をかけ合わせてF1世代を得た。この尾鰭の一部を切除して、DNAを抽出してB6.7の有無を検索した。325個体のうち4個体でB6.7の保持1が確認された。このF1にさらにバッククロスすることによってF2世代を得た。F2のB6.7保持率は約45%に達し、B6.7の構造に特に変化はないと推定された。現在、F2が産む卵を多数解析して、B6.7の解析を行っており、また、B6.7のホモ接合体であるF3世代を誕生させて、その変異解析に着手すべく準備している。また、メダカ内在性のミニサテライトの分析を進めた。HistryRおよび%GCを指標としてメダカゲノムデータベースのうち4つの染色体について、多型性があるとして選択したミニサテライトローカスは、174あった。そのうち、31のローカスについて、ヒメダカおよびCab計30個体のDNAを用いて、PCRによって多型性の有無を確認したところ、4ローカスに、明らかに複数のアリルを有することがわかり、塩基配列を決定して確認した。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
DNA多型 15
ページ: 27-30