研究課題/領域番号 |
18390211
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
川村 則行 国立精神・神経センター, 精神保健研究所・心身医学研究部, 室長 (60211869)
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研究分担者 |
中村 俊 国立精神・神経センター, 神経研究所・診断研究部, 部長 (00134619)
井上 高良 国立精神・神経センター, 神経研究所・診断研究部, 室長 (20370984)
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キーワード | ストレス / プロテオーム解析 / アルブミン / 酸化 |
研究概要 |
1.対象 下記の4群の被験者であり、資料および試料の採取時点での状態によって分類した。 (1)健常者、(2)高ストレス者、(3)うつ病患者、(4)心身症患者(5)うつ病等の精神疾患 2.試料の採取 血液14mlを採取する。血液は、血漿と全血に分けて-80度に保管した。 3.プロテオーム解析 各タンパク試料に、ICATを混ぜて、溶解している蛋白質のうち、ジスルフィド結合されていないフリーのシステイン残基に結合させる。その後、エンドライシンC、トリプシンで分解し、ペプチド化する。ペプチド溶解液を、逆相カラムの1次元液体クロマトグラフィーから、LCQ質量分析計に入れて、マススペクトルを取る。マススペクトルは種々のバイオインフォーマティクスソフトにより、ICATの結合したマススペクトルと、結合しないマススペクトルの比率が、ストレスの度合いによって異なるペプチドを探し、そのタンパクを同定した。また、チオールに結合するmBBrを用いて、タンパクの還元時と非還元時フリーのシステイン基を染色して、定量的に比較することで、どのタンパクの高次構造がより不安定となっているか調べた。 その結果、アルブミンの34Cysにおいて、ストレスの高い群(対象の(2)-(5))が健常者(1)に比較して、酸化の状態が過剰であり(アルブミンをエンドライシンCによって切断した34Cysを含むペプチド断片は、高ストレス群が、15%過剰であった)、そのために、高次構造に変化がおき、機能低下と関連していることを突き止めた。 今後はこのポイントに焦点を絞り、他の方法での裏づけ、多数のサンプルでの確認を中心に研究を行う。
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