研究課題/領域番号 |
18390224
|
研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
菅野 健太郎 自治医科大学, 医学部, 教授 (60179116)
|
研究分担者 |
武藤 弘行 自治医科大学, 医学部, 講師 (50322392)
佐藤 貴一 自治医科大学, 医学部, 講師 (50275707)
大西 洋英 自治医科大学, 医学部, 講師 (00313023)
大澤 博之 自治医科大学, 医学部, 講師 (70260833)
吉澤 充代 自治医科大学, 医学部, 助手 (80406074)
|
キーワード | CDX2 / 腸上皮化生 / COX2 / 胃癌 / トランスジェニックマウス / Math1 |
研究概要 |
CDX1,2は、腸管上皮細胞の形質発現に重要な遺伝子である。われわれが確立した、CDX2遺伝子発現トランスジェニックマウスは、生後2ヶ月程度で腸上皮化生が完成するモデルマウスであり、腸上皮化生の発生にいたる遺伝子機構を解明するうえで有用であるばかりでなく、長期維持することにより胃癌発生が必発することから、腸上皮化生から胃癌の発生過程を解明するうえでも有用なモデルとなることが期待される。昨年度の検討で、腸上皮化生の発生における腸型内分泌細胞の形成に関わる分化関連遺伝子の検討を行い、腸上皮化生において見られる腸型内分泌細胞の形成には転写因子であるMath1が関わり、このMath1の発現制御に、Cdx2によるMath1プロモーター領域への結合が重要であることを明らかにした。また、腸上皮化生の形成が開始される生後四週前後の組織形成の実態を組織学的により詳細に検討するとともに、この時期における遺伝子発現の変化について現在検討している。なお、CDX2に対するSiRNAを設計し、それを用いた予備的検討を行ったが、十分なノックダウン効率が得られていないため、ほかに設計可能な部位について今後さらに検討を行う予定である。また、CDX2腸上皮化生マウスにおける胃癌発生過程において、腸上皮化生上皮におけるCyclooxygenase2の発現亢進が関与していることが示された。これは、COX2阻害薬による胃癌発生抑制の1つのメカニズムが腸上皮化生粘膜において発現亢進しているCOX2の抑制にあることを示唆している。この研究は現在論文として投稿中である。
|