研究課題
Vasohibin-1が内皮細胞のストレス耐性と細胞老化を調節する機序について解析を進めた。昨年度の解析で、Vasohibin-1はSIRT1の発現を介して内皮細胞のストレス耐性を増すことが判明している。これに対して、Vasohibin-1の発現低下により内皮細胞の細胞老化を来たす機序については、Vasohibin-1のノックダウンによって初めにSOD2の発現低下が生じること、このためにreactive oxygen species(ROS)が増加してp53がリン酸化(活性化)され、p53の下流のp21が増加することによって内皮細胞の増殖停止(細胞老化)を来たすことを明らかとした。以上より、Vasohibin-1はSOD2の発現を介してROSの生成を制御し、p53によって惹起される細胞老化を抑制すると同時に、SIRT1の発現を介して内皮細胞のストレス耐性を増すと考えられる。Vasohibin-2遺伝子改変マウスは、ほぼ正常に出生するのに対し、Vasohibin-1遺伝子改変マウスはnullマウスの出生率が約半分に低下している原因について検索を進めた。その結果、Vasohibin-1は、睾丸において精子と精細胞に特異的に発現していることが明らかとなった。現在、オスのVasohibin-1遺伝子改変マウスの精子機能について解析中である。SIRT1遺伝子改変マウスでは、精子機能異常によりnullマウスが出生出来ないことが報告されており、精子におけるVasohibin-1とSIRT1との関連性について解析を進ある。
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