研究課題
我々は、成人の末梢血液においても血球血管芽細胞(hemangioblast)のような未分化内皮細胞が存在し、それが骨髄に由来することを報告してきた(Asahara et al. Science 1997)。その後、これらの細胞を多く含む自己骨髄単核球細胞移植による血管新生効果があることを報告してきた(Tateishi-Yuyama et al. Lancet. 2002)。また、細胞機能の強化療法については、以前我々は移植前虚血刺激で細胞機能が強化されることを報告している。最近我々は自己骨髄単核球細胞と薬剤(Beraprost sodium)を組み合わせたり(Otsuka et al. Ann.Vasc.Surg. 2006)、遺伝子治療(Angiopoietin-1 plasmid)を組み合わせることで(Kobayashi et al. ATVB. 2006)、より効果的な血管再生療法が可能なことを確認し報告してきた。これらの方法によると、より少ない自己骨髄液採取(従来の5分の1程度)でも、これまでとほぼ同等の治療効果・強度が期待出来ることが分かる。本申請研究では、ヒト型Angiopoietin-1プラスミド遺伝子、VEGF-E/PIGFキメラ・プラスミド遺伝子などを治療遺伝子としてさらに考慮し、これらと自己骨髄細胞単核球細胞移植による血管新生療法の増強方法について探求していく。今年度はVEGF-E/PIGFヒト型キメラ・プラスミド遺伝子について、遺伝子単独治療でも血管再生療法が可能であることを報告した(Inoue, et al. ATVB. 2007)。遺伝子治療と細胞治療の併用療法や、その他の細胞治療効果の増強法に関しては、循環器領域で未だ全世界的に研究が遅れている分野であり、今後も研究が待たれる分野である。
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