研究課題
ラット脳培養神経細胞を用いた実験により、AT2受容体刺激がAT2 receptor-interacting protein(ATIP)とSHP-1の結合を促進し、この複合体が核内に移行することにより、ユビキチンコンジュゲイティングエンザイムのバリアントであるMMS2の発現を増加させ、神経保護に働くことを報告した。培養血管平滑筋細胞を用いた実験においそも、AT2受容体刺激がMMS2の発現を増加させ血管老化を防ぎえる可能性を示す実験結果を得ている。さらにATIPを過剰発現させた培養血管平滑筋細胞では、AT2受容体刺激が促進され、ERK活性化が抑制されて、血管平滑筋の増殖低下を起こすことを観1察している。生体における、ATIPの作用を検討するため、セウスATIPのフルシーケンスcDNA(Accession No.AF173380:約1.6kb)を発現プラスミド(pCAGGS)に挿入したコンストラクトをC57BL/6J系統マウスの前核期胚にマイクロインジェクションした後卵管内に移植する手法により、ATIPトランスジェニックマウスを作製した。これまでにgenomic DNAレベルで4系統のマウスが得られておりき現在これらのマウスにおいて主要臓器におけるmRNA発現を測定中である。発現量の高いものを今後の実験に用いる予定である。さらに、ATIPトランスジェニックマウスより調整した培養血管平滑筋細胞、血管内細胞などを用い、正常マウスと比較することにより、シグナルレベルでのAT2受容体刺激におけるATIPのシグナル伝達、生理作用の分子機構を中心に意義を検討していく。
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