研究課題
生体における、ATIPの作用を検討するため、pcDNA3のBamH1とXho1制限酵素部位の間にマウスATIP-cDNAとmycタグを挿入したマウスATIPのフルシーケンスcDNA(Accession No.AF173380:約1.6kb)を発現プラスミド(pCAGGS)に挿入したコンストラクトをC57BL/6J系統マウスの前核期胚にマイクロインジェクションした後、卵管内に移植する手法により、ATIPトランスジェニックマウスを作製し、ATIPの発現が高い系統のマウスを以下の実験に使用した。10週命のマウスを用いて検討したところ、野生型マウスと比べ血圧、心拍数、心重量、体重等に有意な差を認めなかった。正常状態では特に差を認めなかったが、マウス大腿動脈のカフ血管傷害モデルの検討では、野生型マウスと同様にATIPトランスジェニックマウス(ATIPTg)においても、カフ後に動脈におけるAT2受容体の発現増加は同程度に認められたが、カフ留置後2週間後の内膜・中膜比は野生型マウスに比べてATIP-Tgマタスでは有意に減弱していた。現在このメカニズムについて炎症反応、酸化ストレス、血管平滑筋増殖を中心に検討中である。加えて、分子メカニズムを検討するため、ATIPTgより調整した培養血管平滑筋細胞、血管内細胞などを用い、野生型マウスと比較することにより、シグナルレベルでのAT2受容体刺激におけるATIPのシグナル伝達、生理作用の分子機構を詳細に検討していく予定である。我々は、最近、マウス培養血管平滑筋細胞を用いた実験において、AT2受容体刺激がユビキチンコンジュゲイティングエンザイムのバリアントであるMMS2の発現を増加させ血管老化を防ぎえる可能性を示す実験結果を報告した。今後、ATIPTgを用いて、ATIPの血管老化に与える影響についても検討していきたいと考えている。
すべて 2008 2007 その他
すべて 雑誌論文 (9件) (うち査読あり 9件) 学会発表 (10件) 図書 (1件) 備考 (1件)
Stroke (In press)
Hypertension (in press)
Hypertension 51
ページ: 528-533
Hypertens Res 31
ページ: 161-168
Hypertension 50
ページ: 1099-1105
AmJHypertens 20
ページ: 1170-1175
Cardiovascular Res 76
ページ: 506-516
Eur J Pharmacol 566
ページ: 153-159
http://www.m.ehime-u.ac.jp/school/biochem1/index.html