研究課題/領域番号 |
18390255
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 良輔 京都大学, 医学研究科, 教授 (90216771)
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研究分担者 |
井上 治久 京都大学, 医学研究科, 助教 (70332327)
王 華芹 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (50391884)
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キーワード | α-シヌクレイン / Parkin / PINK1 / トランスジェニックマウス / BAC / 行動解析 / メダカ / ENU |
研究概要 |
本研究ではパーキンソン病モデルとして約200Kbの遺伝子調節領域を含むヒトα-シヌクレインの遺伝子のBACクローンを導入したトランスジェニックマウスを作成した。このマウスでは内因性のα-シヌクレインが発現する大脳皮質、線条体、黒質、末梢組織の副腎、交感神経節にトランスジーンの発現が確認された。またヘテロ接合型マウスでは内因性のシヌクレインの約2倍、ホモ接合型では約4倍の量のヒトα-シヌクレインが発現していた。神経病理学的には1年齢のマウスでは神経細胞死、封入体形成ともに観察されなかった。しかし同時期にオープンフィールド試験で中心部にとどまる時間が長いなどの「不安が減少する」(reduced anxiety)の表現型が観察された。一方、PINK1とParkinに関しては、新たなパーキンソン病動物モデルを作製する目的で精子をENUで処理して点突然変異を誘発する方法でノックアウトメダカを作製した。Parkin、PINK1ともヒトの病的変異に類似した変異体が得られた。1年齢までの目高に関して解析しているが、神経病理学的にはドーパミン細胞の脱落は観察されなかった。行動学的にも、めだった表現型は今のところ捕捉できていない。しかし、HPLCによるカテコールアミン測定ではParkin,PINK1変異体ともに脳ドーパミンの増加が観察され、これはParkinノックアウトマウスの結果と共通していた。以上より、メダカは家族性パーキンソン病モデル動物として有用である可能性が示された。
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