研究課題
1)ガイドライン検証研究脳ドック375施設への詳細なアンケート調査(回収率57%)を行った。その結果、ガイドラインに則ってT1、T2、FLAIR画像をすべて撮像している施設は216施設中99施設(1.5Tでは70施設)に過ぎないことが判明した。この状態では標準データベースを作成しても診断精度が担保できないため、今年度末に開始を予定していた登録は延期し、現状における撮像法の組み合わせでの診断精度を検討すべく、佐々木分担研究員を中心に「脳ドックにおける無症候性脳梗塞・白質病変の判定能に関する読影実験」を追加研究として実施した。対象は統一された基準を満たした無症候性脳梗塞または白質病変を認める35例と対象群15例で1.5ヵ月おきに4回の読影を行った。この結果、いずれの2つの画像の組み合わせもこれら3つによる診断よりも精度が劣ることが明らかとなった。診断精度のレベルアップを図るため次年度に標準画像も作成した上で診断基準の標準化を行うことにした。2)脳ドックデータベースの標準化に関する研究各施設における脳ドックデータベースの内容調査を実施した。すでに25施設のデータベースの内容を集積して現在解析を行っている。内容的にはばらつきが大きく、また無症候性脳血管障害の予後や危険因子の多施設共同研究目的には作られていない施設が大半を占めており、日本の脳ドックでエピデンスを作成して行くには標準データベースが不可欠であることが明らかとなった。標準データベースと各脳ドック施設のデータベースの橋渡しをするフィルターソフト開発を目指して脳ドック2施設の訪問調査を実施した。また、標準データベースを作成運用のためのサーバーを島根大学に設置した。38施設が研究協力者として標準データベース研究に参加してくれることになった。
すべて 2006
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