研究課題/領域番号 |
18390260
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
梶 龍兒 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (00214304)
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研究分担者 |
後藤 惠 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, COE特任教授 (50240916)
島津 秀紀 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, 助手 (50398012)
田宮 元 徳島大学, 大学院ヘルスバイオサイエンス研究部, COE特任教授 (10317745)
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キーワード | DYT3 / ルーバッグ病 / TAF1 / 深部脳刺激法 / 大脳磁気刺激法 / 感覚運動連関 |
研究概要 |
本年度は、我々が始めてジストニアを説明する病理所見を発表した(Goto et al.2005)遺伝性ジストニアDYT3(ルーバッグ病)の疾患遺伝子を同定しAmerican Journal of Human Genetics誌に発表した(Makino et al.2007)。その疾患遺伝子は遺伝子の転写に重要な役割を果たすTAF1遺伝子であり、その神経細胞特異的なアイソフォームの発現低下のために神経細胞における可塑性が障害されるためと考えられ、転写の異常が神経変性に関与していると考えられるハンチントン病やSCA17などと共通の分子病態機序が考えられた。 我々がジストニアの治療に有効であることを始めて報告した低頻度閾値下連続磁気刺激法の作用機序をあきらかにするため、正常者においてこの刺激をおこなう前後の脳血流と体性感覚誘発電位(SEP)を比較した。その結果前頭前野を中心とする血流の増加をみとめ、Neuroimage誌に発表した。本法は書痙などの難治性ジストニアの簡便な治療法として有用であるだけではなく、ジストニアにおける感覚運動連関の異常を明らかにする上で発症のメカニズムについても新しい知見をもたらした。 その他、類似する基底核疾患である多系統萎縮症の組織病理学所見についても報告し、他の遺伝性ジストニアであるDYT1の疾患遺伝子の産物であるtorsinAの病理学的な所見についても報告した。 DYT1をはじめとする全身性ジストニアの治療法として両側GPi深部脳刺激法についてもわが国の経験について国際誌に発表した。
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