研究分担者 |
高嶋 博 鹿児島大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (80372803)
祖父江 元 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (20148315)
中川 正法 京都府立医科大学, 大学院・医学研究科, 教授 (50198040)
早坂 清 山形大学, 医学部, 教授 (20142961)
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研究概要 |
遺伝性ニューロパチー(Charcot-Marie-Tooth病)の遺伝子チップによる診断システムを確立する目的で研究が設定された。CMT1, CMT2, DSS(Dejerine-Sottas syndrome), CHN(congenital hypomyelinating neuropathy), Giant axonal neuropathyおよび小脳失調症合併例(SCAN1, AOA1, AOA2)などの臨床型を示す疾患に対応するべく、既知の27遺伝子をチップに搭載した。さらに、末梢神経関連遺伝子および既知の遺伝子の関連遺伝子の中から、遺伝性ニューロパチーの原因となりうる10の候補遺伝子も搭載した。このマイクロアレイチップで110.938塩基の配列を決定できる。我々は、PCRのステップの最適化、multiplex化を行い、最終的には、最適化を行うことで600のPCR反応を約20本のチューブで増幅することが可能となり、増幅過程が飛躍的に簡素化された。2日間の行程で8例の検査が可能となった。実際には、患者およびコントロール症例約110例について解析を行い、多数の遺伝子異常が見つかっている。症例によっては、エクソン単位で一部配列がはっきりしない例も認められたが、全般的にはシークエンス解析より、遙かに精度が高いものであった。本チップによる遺伝子解析では、遺伝子異常を調べるコストと時間が飛躍的に縮小し、実際、患者1例あたりのスクリーニングの費用は137万円から7万5千円に節約できた。Charcot-Marie-Tooth病の診断DNA Chipチップは完成し、十分実用的である。
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