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2008 年度 実績報告書

GLUT4の膜移行を制御するマシーナリー分子群の網羅的同定

研究課題

研究課題/領域番号 18390266
研究機関東北大学

研究代表者

神崎 展  東北大学, 大学院・医工学研究科, 准教授 (10272262)

キーワード糖尿病 / インスリン / 糖代謝 / GLUT4 / 小胞輸送 / イメージング / シグナル伝達 / ナノ材料
研究概要

インスリン反応性を獲得しているGLUT4小胞の形成・運搬に関わる因子群を同定するとともに、生細胞イメージング技術によりそれらの機能を解析することを目的としている。インスリン反応性GLUT4膜移行システムは脂肪細胞および筋細胞の細胞分化とともに発達していくため、本年度は、分化した脂肪細胞に加え、分化型培養筋細胞におけるインスリン反応性GLUT4小胞の形成機構について、独自の特殊培養系で得られた高度発達型筋細胞を用いて、あわせて解析することを試みた。特に、小胞輸送に関わる低分子量GTP結合蛋白Rabの制御因子であるAS160(Tbcld4)とTbcld1の機能について、インスリンシグナルおよび運動刺激シグナルの接点としての役割を調べることを目的とした。【実績】高いインスリン反応性を有する培養脂肪細胞と異なり、培養筋細胞では分化させただけではインスリン反応性GL-UT4膜移行システムは十分に発達しておらず、その収縮運動活動を活性化させることによって有意に改善されることを明らかにした。このインスリン反応性の獲得にはインスリン受容体シグナル系の感受性亢進などは認められなかったが、endosome-TGN経路の蛋白選別をつかさどるsortilin蛋白の重要性を認めた。さらに、このインスリン反応性GLUT4膜移行システムの改善にともない、Rab蛋白の制御因子であるTbcld1のリン酸化(Ser231)が収縮活動依存性に増加することを明らかにした。インスリン受容体シグナル(Akt)によってリン酸化されることに加え、収縮運動シグナル(AMPキナーゼ)は、Tbcld1のこれまで知られていなかったSer231のリン酸化を引き起こしてGLUT4小胞輸送に関わっている可能性を示した。これらの結果から、Tbcld1は、インスリン依存性だけでなく、運動依存性のGLUT4膜移行においても、シグナル系と小胞輸送マシーナリー分子を連結させる重要な制御因子であることが推察された。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] Contractile C2C12 myotube model for studying exercise-inducible responses in skeletal muscle2008

    • 著者名/発表者名
      Nedachi T
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology Endocrinology & Metabolism 295

      ページ: E1191-E1204

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Identification of contraction-inducible myokines and their impact on insulin responsive GLUT4 translocation in C2C12 myotubes2008

    • 著者名/発表者名
      Nedachi T
    • 雑誌名

      Diabetes 57 suppl

      ページ: A308-A308

  • [雑誌論文] Exercising Cultured Myotubes2008

    • 著者名/発表者名
      Kanzaki M.
    • 雑誌名

      Comparative Biochemistry and Physiology B-Biochemistry & Molecular Biology 151

      ページ: 443-443

  • [学会発表] Involvement of autocrine EGF-receptor ligands in the palmitate-induced COX-2 expression in C2C12 myotubes2008

    • 著者名/発表者名
      Kadotani A
    • 学会等名
      第48回アメリカ細胞生物学会
    • 発表場所
      San Francisco, CA
    • 年月日
      20081213-17
  • [学会発表] Identification of contraction-inducible myokines and their impact on insulin responsive GLUT4 translocation in C2C12 myotubes2008

    • 著者名/発表者名
      Nedachi T
    • 学会等名
      第68回アメリカ糖尿病学会
    • 発表場所
      San Francisco, CA
    • 年月日
      20080606-11
  • [学会発表] 収縮筋細胞由来分泌因子群の発現制御とその役割2008

    • 著者名/発表者名
      神崎展
    • 学会等名
      第12回Molecular Cardiovascular Conference
    • 発表場所
      小樽
    • 年月日
      2008-09-05
  • [学会発表] 培養筋細胞を運動させる2008

    • 著者名/発表者名
      神崎展
    • 学会等名
      第30回日本比較生理生化学会シンポジウム「生物学と工学の接点」
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2008-07-19
  • [図書] 実験医学・増刊号(共著)「筋肉におけるエネルギー代謝調節とインスリン抵抗性」「エネルギー代謝研究の最前線」監修 : 岡芳知・片桐秀樹2009

    • 著者名/発表者名
      神崎展
    • 出版者
      羊土社(印刷中)
  • [図書] 「筋・脂肪におけるインスリン作用」特集 : 「インスリン作用の原鳥」編集 : 江本政弘2009

    • 著者名/発表者名
      神崎展
    • 出版者
      日本糖尿病学会(印刷中)

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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