研究概要 |
平成19年度は以下の点を明らかにした。 1)イマチニブ耐性機序に対するINNO-406の効果 a)INNO-406は、ダサチニブが無効なT315AおよびF317L/Vにも有効であった(Leuk Res, in press)。 b)BCL-2阻害剤ABT-737は、INNO-406の効果を増強した(Cell Death Diff 2007)。 c)INNO-406によるBCR-ABL阻害時に、オートファジーが細胞死阻害に働いた(投稿中) 2)中枢神経性白血病に対するINNO-406の効果 a)INNO-406は、BCR-ABL陽性細胞脳室移植マウスモデルの生存期間を有意に延長した。 b)P糖蛋白阻害剤の併用は、中枢神経性白血病に対するINNO-406の効果を増強した(Blood 2007)。 3)CMLに対する個別的治療アルゴリズムの確立 a)INNO-406は、ニロチニブより2-3倍強力で、ダサチニブより選択性が高かった(Leuk Res, in press)。 b)イマチニブ変異に関与する12種類のABL変異を90分・全自動検出するシステムを構築した(投稿準備中)。 4)白血病幹細胞同定に関する検討 a)免疫不全マウスに移植されたヒト白血病細胞は、破骨細胞の豊富な骨端部から生着を開始した。 b)破骨細胞特異的阻害剤リベロマイシン処理マウスでは、白血病細胞の生着が阻害された(投稿準備中)。
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