研究課題/領域番号 |
18390287
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 一彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80191394)
|
研究分担者 |
沢田 哲治 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (50235470)
川畑 仁人 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70334406)
藤尾 圭志 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70401114)
|
キーワード | 関節リウマチ / 疾患関連遺伝子 / 有機カチオントランスポーター / SLC22A4 / サイトカイン / エルゴチオネイン |
研究概要 |
第5染色体の5q31領域に、関節リウマチ関連遺伝子としてSLC22A4(Solute Carrier Family 22 Member 4)があることを報告した。SLC22A4は、有機カチオンを輸送する分子である。SLC22A4のイントロン1にあるSNPを含む配列が転写調節機能を有し、SNPのアレルの別によってその転写効率が変化することを明らかにした。最近、SLC22A4のアミノ酸変化を伴うミスセンス変異およびこれと強い連鎖不平衡にあるSLC22A5の5'UTRのSNPがクローン病と相関していることが判明し、有機カチオントランスポーターと炎症疾患との関係が注目されるに至っている。 以上の状況をふまえ、本研究ではSLC22A4の発現量と炎症との関連を明らかにする目的で、種々の実験を行った。特にSLC22A4の遺伝子導入および抑制により、各種刺激による炎症反応関連サイトカインの動きをRT-PCR、固相酵素抗体法などの方法で測定した。しかし、培養条件や細胞の状態により、結果が変動し、確定的な結果を得ることは出来なかった。この点で、最近まで、SLC22A4の輸送基質は同定されておらず、生理的な機能も不明であったが、エルゴチオネインが輸送基質になることが報告された。そこで培養細胞(A549肺癌細胞)にエルゴチオネインを加えた後、炎症性サイトカインである腫瘍壊死因子(TNFα)刺激を加えると、コントロールに比べ、IL-8の産生が低下することが判明した。この系を用い、SLC22A4を過剰発現またはノックダウンすることで発現量を変化させることで、エルゴチオネイン存在下で、炎症反応関連分子の発現に影響を与えるか否かを検証している。
|