研究課題/領域番号 |
18390292
|
研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
奥村 康 順天堂大学, 医学部, 教授 (50009700)
|
研究分担者 |
八木田 秀雄 順天堂大学, 医学部, 准教授 (30182306)
秋葉 久弥 順天堂大学, 医学部, 准教授 (60338316)
竹田 和由 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80272821)
中野 裕康 順天堂大学, 医学部, 准教授 (70276476)
中山 勝文 順天堂大学, 医学部, 助教 (20453582)
|
キーワード | 自己免疫疾患 / OVA誘発性喘息 / コラーゲン誘発性関節炎 / 実験的自己免疫性ぶどう膜網膜炎 |
研究概要 |
免疫反応の中心的役割を果たすT細胞の過度の反応は、自己免疫疾患やアレルギーといった免疫疾患のように生体にとってむしろ有害となることがある。T細胞の機能を人為的にコントロールすることが可能であれば、免疫疾患の発症機序の解明や新たな治療方法の開発につながる。本研究は、T細胞機能をコントロールする補助シグナル分子に対するモノクローナル抗体を作製し、種々の免疫疾患モデルマウスに投与することにより、補助シグナル分子の免疫疾患における病理的役割を解明し、より良い治療方法を見いだすことを目的としている。 実験的自己免疫性ぶどう網膜炎(EAU)マウスに抗OX40L抗体を投与した結果、T細胞に発現するOX40は、初期のT細胞活性化・分化誘導時にはTh2誘導に働きTh1を抑制、EAUの発症抑制に働く事が示され、一度活性化された後のエフェクターT細胞では、その効果機能を発揮させる分子として機能することが示唆された。従って、ぶどう膜網膜炎患者さんへの抗OX40L抗体投与は治療効果が期待できる。 B7-CD28ファミリーに属する新たな補助シグナル分子B7-H3に対する抗体を作製し、Th2タイプのOVA誘発性喘息モデルマウス、Th1タイプのコラーゲン誘発性関節炎モデルマウスに投与した結果、ともに疾患発症のインダクションフェーズ投与時のみ発症の抑制効果が認められ、エフェクターフェーズ投与時には効果が得られなかった。このことから、B7-H3はThl/Th2に関係なく初期のT細胞活性化に働く分子であり、抗B7-H3抗体は、すでに発症してしまった疾患への治療効果は期待できそうもないという結論を得た。 このように免疫反応、特にT細胞活性化・分化誘導、機能発現における補助シグナル分子の役割はそれぞれの分子の違いにより異なることが判明しつつあり、今後さらに各分子間の機能の関連性を明確にしていくことが重要だと言える。
|