研究課題
目的:MCMV(murine cytomegalovirus)がコードするケモカインホモログMCK-2(murine chemokine-2)は、LMP(late myeloid progenitor)を感染・発現局所に動員する。LMPはCD31^+Mac-1^+Gr-1^<int>のフェノタイプを提示する。本後期未熟骨髄紳胞は、MCMVの格好の標的細胞と推測され、感染個体の病原性の発揮に関与していると考えられている(Noda et al.,Blood,2006)。本研究では、HCMV-IE1プロモーター制御下にGFP(green fluorescence protein)をマーカーに発現するMCMV-mutants(RM4503;MCK-positive virus, RM4511;MCK-negative virus)を用い、(1)LMPがMCMVの感染標的細胞の一つであるのか、(2)MCK動員性LMPの個体病原性発揮への貢献、ならびに(3)Marmoset Herpesvirusesの同定方法(CODEHOP:consensus-degenerate hybrid oligonucleotide primers)、について検討を行った。結果:(1)マウスの足裏にRM4503あるいはRM4511を接種2日目に当該肉趾を切除、これをコラゲナーゼ処理にてsingle cell化後、密度勾配遠心法を用いて白血球分画を分離した。同分離細胞を用いて、FACSによるLMPサブセットのウイルス感染率(GFP-positive cells)を検定した。MCK-positive virusにおける感染率が、MCK-negative virusのそれの10倍を提示した。MCK発現によって、感染局所に高率に動員されてくるLMPが、ウイルスの標的細胞群の-サブセットであることが示唆された。(2)上述の結果は、LMPがウイルスの格好のキャリアーであること、かつ、個体のウイルス感染病原性の発揮に、何らかの役割を担っているものと考えられた。LMPは放射線に感受性が高く、同処理によって著明に減少する(Noda and Mocarski, in preparation)。そこで、ウイルス(RM4503あるいはRM4511)を肉趾感染後、ガンマ線処理を施したマウスを用いて、ウイルス標的臓器(脾臓:急性感染期、唾液腺:持続感染期)におけるウイルス価を検定し、MCK動員性LMPについて検討を加えた。結果、いずれの変異ウイルスのマウス標的細胞感染価間でも相違が認められなかった(Smith, Noda, and Mocarski, unpublished data)。放射線処理はLMPに高感受性とはいえ、他の造血系の細胞にも影響があることが推測されるため、細胞移入実験による検討が必要と考えられる。(3)CODEHOPのデザイン設定を完了し、三種のプライマーセットの有効な検出を確認した。
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