研究課題/領域番号 |
18390296
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
松原 洋一 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00209602)
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研究分担者 |
呉 繁夫 東北大学, 大学院医学系研究科, 助教授 (10205221)
青木 洋子 東北大学, 大学院医学系研究科, 助手 (80332500)
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キーワード | 先天奇形症候群 / ヌーナン症候群 / コステロ症候群 / CFC症候群 / シグナル伝達 / 遺伝子変異 |
研究概要 |
先天奇形症候群を正しく診断することは、予後の推定、合併症の予防と早期発見、遺伝カウンセリングなどにとって重要であり、それぞれの原因遺伝子を同定して遺伝子診断法を確立することが必要と考えられる。私たちはこれまでに、先天奇形症侯群のひとつであるコステロ症候群が、これまで癌遺伝子としてよく知られていたHRAS遺伝子の変異によってひきおこされるシグナル伝達異常症であることを世界に先駆けて報告した(Nature Genet 37:1038-1040,2005)。本研究の目的は、シグナル伝達系の異常によってひきおこされる先天奇形症候群の原因遺伝子を新たに同定し、遺伝子診断法を確立すると共に、その機能解析を行うことによって病態発症のメカニズムを解明することにある。本年度はまず、国内外の臨床遺伝専門医を通じて、ヌーナン症候群、コステロ症候群、CFC症候群患者の検体を収集した。つぎに、RAS/ERKシグナル伝達に関与する主な分子の中から、候補遺伝子を選定した。選定した候補遺伝子について、順次、遺伝子変異の検索を行った。遺伝子変異の検索に当たっては、遺伝子の各エクソンと近傍イントロンのPCR増幅を行い、シークエンスを行うとともに、シークエンスにより遺伝子変異が確定しなかった症例については、Multiplex Ligation-dependent Probe Amplification (MLPA)法を用いて、候補遺伝子のコピー数の増減の有無を検索した。さらに、同定された変異蛋白を発現させ、シグナル伝達系の下流にあたる転写因子の転写活性をルシフェラーゼ活性として測定し、変異蛋白がシグナル伝達系におよぼす影響を検討した。また、次年度に向けて、変異蛋白を過剰発現させたトランスジェニックマウスを作成するための準備をおこなった。
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