研究課題/領域番号 |
18390306
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
木村 芳孝 東北大学, 先進医工学研究機構, 教授 (40261622)
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研究分担者 |
伊藤 拓哉 東北大学, 先進医工学研究機構, 助手 (70396539)
千坂 泰 東北大学, 大学病院, 講師 (40323026)
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キーワード | 胎児モニタリング / 心筋虚血 / 胎児心電図 / 胎仔脳出血 |
研究概要 |
胎仔の臓器虚血を心電図で正確に捉えることが出来るかをマウスを用いて基礎的な研究を行った。マウスの胎仔は小さく心筋の活動電位も低いが超音波装置で血流を可視化できる利点がある。我々は微小な活動電位でも測定可能な電極を開発し、マウスを用いた胎仔心電図実験を行った。 妊娠17日目のマウスを用いて実験を行った。母体を麻酔下で保定、開腹して実験を行った。胎仔の脳血流を超音波装置にて観察しながら子宮動脈圧迫による5分間の虚血と再灌流を3回繰り返し、同時に胎仔心電図を記録した。子宮動脈圧迫により脳血流と心拍数の低下が生じることを確認した。再灌流時、心拍数の回復に遅れて脳血流が回復した。虚血再灌流の繰り返しにより脳血管が破綻し出血を起こす個体が存在したが、出血を起こさない個体も存在した。 再灌流により脳出血が発症するか否かが虚血時の心電図により予見できれば、心拍数の変化だけでは判別ができなかった胎児の虚血状態の評価が可能となる。現在脳出血の前兆を示す特異的な心電図波形が存在するか解析を行っている。 マウスの心電図計測は画像解析を併用出来る利点があるがその大きさから3次元ベクトル心電図を計測するのに必要な数の電極の装着が難しい。正確な心筋活動を評価するためには3次元ベクトル心電図の計測が必要である。このため、現在ヒツジを用いて同様の実験を並行して行っている。ヒツジの実験ではヒトヘの臨床応用も視野に入れた多電極母体腹壁誘導を行い、非侵襲的に胎仔心筋虚血を3次元ベクトル心電図として計測を行っている。
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