研究課題
1)導入リポーター遺伝子の作成リポーター遺伝子としてのGreen fluorescent protein(GFP)遺伝子およびlacZ遺伝子を哺乳類遺伝子発現ベクターに組み込んだ。2)バルジ幹細胞幹の単離、培養系の樹立ラットの髭毛包を実体顕微鏡下で単離し、バルジ領域を含むよう、メスで毛包を切断した。得られた断片をdispaseで4℃、30分間処理した後、実体顕微鏡下で周囲のカプセル部分をピンセットを用いて除去し、バルジ領域を含む毛包断片を0.25%trypsin、室温10分間処理し、D-MEM(+10%FBS)で反応を止めた後、遠心(1000rpm 5min)にて回収した。ケラチン19、CD34、β1インテグリン等のケラチノサイト幹細胞マーカーを用いて、cell sortingを行い、幹細胞に富んだ細胞集団を得た。それらの細胞を3T3-J2で作成したフィーダー細胞上に播き、Defined-keratinocyte SFM(GIBCO)を用いて培養、増殖させた。毛包再生実験用の毛乳頭細胞の培養は、ラットの髭毛包を実体顕微鏡下で単離し、得られた毛乳頭細胞をAmnio MAX(GIBCO)培地で培養した。3)培養バルジ幹細胞幹に対する遺伝子導入バルジ細胞への遺伝子導入はレトロウイルスベクターを用いた。GP-293細胞をフラスコに播種し、翌日、リン酸カルシウム法にてβ-galactosidase遺伝子等のレポーター遺伝子を導入した。4)遺伝子導入幹細胞株よりの皮膚再生系の確立SCIDマウスの背部を除毛し、直径1cmの円形に皮膚を切除した。そこへシリコンチャンバーを移植し、チャンバー上部の穴から細胞懸濁液を注入し、移植部位を乾燥させることにより上皮化を促した。移植後約4週間で皮膚・毛髪の形成が認められた。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
Br J Dermatol 155・5
ページ: 1064-1066
J Invest Dermatol 126・11
ページ: 2545-2547