研究分担者 |
姚 建 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (50303128)
柴垣 直孝 山梨大学, 医学工学総合研究部, 准教授 (40262662)
原田 和俊 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (20324197)
神戸 直智 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (50335254)
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研究概要 |
ギャップ結合(G結合)は,コネキシン膜タンパク質6量体が作るコネクソンが,隣接する細胞間で結合し,情報伝達物質を含む低分子量(1.2kD以下)の分子が通過できる細胞間結合様式である。G結合は細胞集団の協調的機能調節に重要であるが,移動性に富む免疫細胞間のG結合の存在と機能についての報告は少ない。以前,われわれは抗原提示細胞である樹状細胞(DC)におけるG結合の存在について報告した。すなわち,マウス骨髄由来DC(BMDC)と皮膚由来DC株(XS52)を用いてDC間に機能的G結合が存在するかをMicroinjection法とG結合阻害剤で検討した。DC間のG結合はLPSとIFNγの共刺激またはTNFαとIFNγの共刺激でのみ認められ,G結合阻害剤はDCの活性化マーカーであるCD40の発現を抑制した。今回われわれは他の刺激でもG結合が見られるかを検討したところ,CpGとIFNγの共刺激でもG結合を介したDCの活性化を抑制し,DC由来TNFαの関与を示した。また,DCが発現するCD40以外の抗原提示能に関与する分子(CD80,CD86,MHCclassII)の発現もG結合阻害剤で抑制された。さらに,DC間のG結合のみを抑制する条件下で,アロMLR反応を著明に抑制した。以上の結果はDCが機能的G結合をもち,G結合阻害剤はDCの抗原提示能を抑制し,T細胞の活性化を抑えることを示している。したがってG結合による情報伝達の遮断剤は,新規作用機序の免疫抑制剤の開発へ展開できる可能性があると考えられる。現在,特に外用剤の効果を検討中である。
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