研究課題/領域番号 |
18390314
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
橋本 公二 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00110784)
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研究分担者 |
白方 裕司 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 講師 (50226320)
花川 靖 愛媛大学, 大学院医学系研究科, 助手 (90284398)
平川 聡史 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50419511)
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キーワード | 乾癬 / 角化細胞 / SOCS3 / STAT3 / 表皮特異的ノックアウトマウス / 表皮再生 / RT-PCR / 皮膚肥厚 |
研究概要 |
表皮特異的SOCS3欠損マウスを用いた研究:表皮特異的に活性化STAT3を持続的に発現させたマウスにおいて乾癬様病変が出現することが報告されている。SOCS3はSTAT3のnegative regulatorであり、STAT3により誘導される。従って、SOCS3が表皮特異的に減少あるいま消失することにより、STAT3の持続的活性化が誘導され、乾癬様病変が誘導されることが予想される、以上の考えに基づき、まず、表皮特異的SOCS3欠損マウスの研究を開始する。 表皮特異的SOCS3欠損マウスの作製:K5-CreマウスとSOCS3-flox/floxマウスを掛け合わせることにより表皮特異的SOCS3ヘテロノックアウトマウスを作製し、RT-PCRにてSOCS3がヘテロ欠損していることを確認した。このSOCS3ヘテロノックアウトマウスとSOCS3-flox/floxマウスを掛け合わせることにより表皮特異的SOCS3ノックアウトマウスを作製した。SOCS3が欠損していることをRT-PCRにて確認した。このようにして表皮特異的SOCS3ノックアウトマウスを50匹以上得た。まずSOCS3ノックアウトマウスにて乾癬様皮膚病変が自然発症するかについて30-40週観察した。SOCS3ノックアウトマウスの大多数において、後頭部から背部にかけて湿疹様の病変が30週以降に形成され、組織学的には表皮の肥厚、角層の肥厚、真皮乳頭層の浮腫と毛細血管の拡張、真皮へのリンパ球を中心とした密な細胞浸潤が認められ、乾癬様の病変を呈していた。さらに、並行してTPAによる皮膚肥厚モデルにて乾癬様病変が出現するかについてコントロールマウスと比較したところ、SOCS3ノックアウトマウスでは表皮の肥厚、浸潤細胞がみられ、経時的変化をみると正常化するまでにかなりの時間を要した。以上の結果から、SOCS3ノックアウトマウスは乾癬のモデルマウスとしての可能性を有していることが示唆された。
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