研究課題/領域番号 |
18390315
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大山 学 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10255424)
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研究分担者 |
天谷 雅行 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90212563)
石河 晃 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (10202988)
齋藤 昌孝 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30306774)
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キーワード | 皮膚生理学 / 再生医学 / 毛嚢 / バルジ / 幹細胞 / 毛乳頭 |
研究概要 |
研究計画初年度である平成18年度は、申請書にあるように1)免疫不全マウスヘの移植系を用いた毛嚢再構成系の確立をはじめとし、2)毛嚢再構成系への細胞供給源であるヒト毛嚢由来ケラチノサイト、毛乳頭細胞の培養系の確立を試みるとともに、3)毛嚢誘導に必須とされる毛乳頭細胞に与える培養操作の影響につき検討を加えた。まず、マウス・ラットを用いて毛嚢由来ケラチノサイトと中胚葉由来細胞(胎児由来線維芽細胞あるいは毛乳頭細胞)を様々な組み合わせで免疫不全マウスに移植し毛嚢再構成の効率を検討した結果、シリコンチャンバー法を用いた場合に再構成の効率が良いことが明らかとなった。次いで、ヒトケラチノサイト(表皮またはバルジ細胞を含んだ毛嚢分画)と中胚葉由来細胞(ヒト毛乳頭細胞、マウス胎児由来線維芽細胞)を様々に組み合わせ毛嚢再構成能の検討を行った。ヒトケラチノサイトを用いた組み合わせでも毛嚢再構成が見られており、現在、再構成された毛嚢がどの程度ヒト由来細胞で構成されているのか免疫組織学的手法を用いて検討中である。培養条件の検討では、フィーダーなしでもコラーゲンコートディッシュと無血清培地の組み合わせで毛嚢ケラチノサイトの増殖が得られることを確認した。また、バルジ由来ケラチノサイトのCD200発現は培養操作後確認できず、CD200は生きたヒト毛嚢バルジ細胞の採取には利用できるが、培養操作後は利用できない可能性が示唆された。毛嚢誘導には毛乳頭細胞からのシグナルが必須である。ヒト頭皮サンプルから得られる毛乳頭細胞は少なく、毛嚢再生の実現には培養操作が必須である。培養操作がヒト毛乳頭細胞に与える影響を検討するため、培養前後のヒト毛乳頭細胞からマイクロアレイを作成し、網羅的に遺伝子発現の解析を行っている。来年度はこれらの知見をもとに、より濃縮されたCD200陽性バルジ細胞分画を用いたヒト毛嚢再生を試みる予定である。
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