研究分担者 |
森 則夫 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00174376)
尾内 康臣 子どものこころの発達研究センター, 客員教授 (40436978)
辻井 正次 子どものこころの発達研究センター, 客員教授 (20257546)
武井 教使 浜松医科大学, 子どものこころの発達研究センター, 教授 (80206937)
三辺 義雄 金沢大学, 医学部, 教授 (60181947)
|
研究概要 |
(1)脳画像研究 PET:脳内セロトニン系に焦点をあてたPET研究を行った。自閉症では健常者と比較して,大脳皮質全般,基底核,中脳,小脳に渡る広範囲の部位でセロトニン・トランスポーターが有意に低下していた。視床のセロトニン・トランスポーターの低下が強迫症状の強度と有意な相関が認められた。自閉症は神経発達の段階、成長過程においてセロトニン系メカニズムの障害が派生していることが推測された。脳内ミクログリア活性に注目しトレーサーである末梢型ベンゾジアゼピンに焦点をあてたPET研究を行った。自閉症では健常者と比較して,大脳皮質全般,基底核,中脳,小脳に渡る広範囲の部位で末梢型ベンゾジアゼピンが有意に上昇していた。ゆえに脳全体においてミクログリア活性が上昇していることが明らかになった。自閉症は何らかの原因によって脳内に炎症反応が起こり継続していることが明らかになった (3)生化学計測,遺伝子解析 グルタミン酸、Brain-Derived Neurotrophic Factor、Epidermal Growth Factor、Hepatocyte Growth Factor、Transforming Growth Factor β1などで、健常者と自閉症患者の間に血中濃度の有意差を見出した。次にepidermal growth factor(EGF)、platelet-endothelial adhesion molecule(PECAM-1)、intracellular adhesion molecule(ICAM-1)、vascular cell adhesion molecule(VCAM-1)の定量を行い、臨床遺伝解析はAGREの高機能自閉症トリオサンプル104家系、知的レベルを考慮しないトリオサンプル252家系を用いて行なった。EGF、PECAM-1に関して血清で有意に減少を認めたが、臨床症状との相関はなかった。次に有意差のあったEGFについて、家族内相関解析を行った。EGFは高機能自閉症の家系において相関はトレンドであった。セロトニン・トランスポーター関連遺伝子であるSTX1Aについて家族内相関解析で有意差が認められた。
|