研究課題/領域番号 |
18390327
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
柏倉 幾郎 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (00177370)
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研究分担者 |
高橋 賢次 弘前大学, 大学院・保健学研究科, 助教 (00400143)
稲波 修 北海道大学, 獣医学研究科, 教授 (10193559)
阿部 由直 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10167950)
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 造血幹細胞 / 造血前駆細胞 / 放射線 / 臍帯血 |
研究概要 |
間葉系幹細胞は、骨髄や臍帯血中にごくわずかに存在する未分化の細胞で、増殖能と共に骨細胞、軟骨細胞、筋肉細胞、脂肪細胞等への分化能を有している。さらに、造血幹細胞の造血を支持・促進し、造血幹細胞移植時に生着促進・生着不全防止を目的に間葉系幹細胞の同時移植が行われ効果を上げている。一方、造血・免疫システムは放射線や抗がん剤に対し極めて感受性が高いため、放射線や抗がん剤によるがん治療における副作用としてしばしば骨髄抑制が生じ、治療上のdose limiting factorとなっている。そこで、間葉系幹細胞の造血支持・促進能を利用することで、造血幹細胞を増幅して血球減少症回避が図れ、さらには血小板や好中球など特定の血球を特異的に増幅させることにも繋がる。本研究では、放射線曝露が予想される場合や、放射線造血障害状態に陥った個体自身の造血幹細胞から、造血幹・前駆細胞の再生を想定して、間葉系幹細胞を用いた新たな細胞治療方法を開発する事を目的として研究を開始した。 平成19年度は、臍帯血より間葉系幹細胞を培養誘導して造血支持細胞層とし、IL-3,SCF及びTPO存在下で、2Gy曝露された臍帯血造血幹細胞の造血再生を検討した。その結果、間葉系幹細胞支持層存在で、総細胞数、造血幹細胞及び造血前駆細胞数は有意に増加し、間葉系幹細胞の有用性が示された。また、照射造血幹細胞からの増幅においては、サイトカイン刺激より間葉系幹細胞との接触刺激がより重要である事が明らかとなった。 また本研究の関連成果から得られた技術について特許出願を行った。
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