研究課題/領域番号 |
18390331
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
吉本 光喜 金沢大学, 医学系研究科, 助教 (00345638)
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研究分担者 |
川井 恵一 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (30204663)
絹谷 清剛 金沢大学, 医学系研究科, 教授 (20281024)
大桃 善朗 大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (70183241)
平田 雅彦 大阪薬科大学, 薬学部, 助教 (00268301)
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キーワード | 分子イメージング / シグナル伝達 / 癌 / 治療効果予測 / EGFR |
研究概要 |
本年度は、フェノキシキナゾリン誘導体のひとつであるPHYの放射性ヨウ素標識及び放射性ブロム標識を行い、分子イメージング剤としての有用性を評価した。 1.[^<76>Br]BPHY及び[^<125>I】IPHYの標識 ポジトロン核種である放射性臭素(^<76>Br)の合成は海外共同研究先であるワシントン大学で行った。放射性臭素による標識及びその精製は、放射性ヨウ素と同様に有機スズヨウ素交換法で行った。 2.EGFR発現量の解析 ウエスタンブロッティングにより各細胞のEGFR発現量を調べた。ヒト扁平上皮癌A431で著しいEGFR発現が確認されたが、他の細胞の発現レベルはほぼ同等であった。 3.ゲフィチニブ感受性測定 MTSアッセイにより各細胞のゲフィチニブ感受性を50%増殖阻害濃度(IC50)として算出した。遺伝子変異が確認されている細胞では顕著なゲフィチニブ感受性が確認されたが、2次的遺伝子変異を有している細胞やwild typeのEGFRを有している細胞ではゲフィチニブ感受性は低かった。一方、EGFR発現量が高いA431は、wild typeのEGFRを有している細胞の中で最も高いゲフィチニブ感受性を示した。 4.標識化合物の体内動態 担癌マウスを用いた体内分布実験において、[^<125>I]PHYの血中放射能は非常に低く、投与1時間後で0.77%、投与24時間後では0.05%であった。また、筋肉の集積も著しく低いことから、画像コントラストの指標である腫瘍血液比、腫瘍筋肉比は高く、優れた画像を得られることが示唆された。投与1時間後におけるA549、H1650への集積はほぼ同程度であった。他の腫瘍細胞を用いた検討が必要である。
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