研究課題/領域番号 |
18390331
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
吉本 光喜 金沢大学, 保健学系, 助教 (00345638)
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研究分担者 |
川井 恵一 金沢大学, 保健学系, 教授 (30204663)
絹谷 清剛 金沢大学, 医学系, 教授 (20281024)
大桃 善朗 大阪薬科大学, 薬学部, 准教授 (70183241)
平田 雅彦 大阪薬科大学, 薬学部, 助教 (00268301)
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キーワード | 分子イメージング / シグナル伝達 / 癌 / 治療効果予測 / EGFR |
研究概要 |
本年度は、フェノキシキナゾリン誘導体(IPHY)の動態について、ヒト肺癌細胞移植マウスを用いて検討を行った。また、phospho-EGFR発現量やIPHYを含む4種類のEGFR-TKイメージング(BrPHY, BrPYK, IPYK)のA431とH3255に対する増殖阻害効果について検討を行った。 ^<125>I-IPHYの血液クリアランスは早く、投与1時間後で0.72%ID/g、4時間後で0.45%ID/gであった。また、^<125>I-IPHYは肝臓と腸に顕著な集積を示した。甲状腺への集積は時間経過に伴い上昇が見られたことから、脱ヨウ素化していることが確認された。腫瘍への集積は、ウエスタンブロッティングにより、EGFRとphospho-EGFRの高発現が確認されたA431やH3255に投与1時間後においてそれぞれ1.56%ID/g、2.04%ID/gと高い集積を示した。このことから、^<125>I-IPHYの腫瘍への集積は、EGFR発現量を反映していることが確認された。 IPHYがA431に対し最も優れた増殖阻害効果を示したが、化合物間で著しい差は見られなかった。一方、EGFR-TKドメインに遺伝子変異を有するH3255における検討では、IPYKが優れた増殖阻害効果を示した。IPHYのA431とH3255に対する50%増殖阻害濃度の差は約3倍程度であったのに対し、BrPHYやIPYKの差はそれぞれ9.2倍、25倍であったことから、IPHYよりもBrPHYやIPYKがより遺伝子変異を反映した主要集積性を示すことが期待された。
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