研究課題
ヒト同種膵島移植はエドモントンプロトコール確立以来、魅力的な治療法として世界的な注目を集めてきたが、ドナー不足という現実を一層際立たせる結果となった。この深刻なドナー不足を解消する有力な方法として異種膵島移植の臨床応用が切に望まれてきたが、特有の免疫学的バリアーであるInstant Blood-Mediated Inflammatory Reaction(IBMIR)に阻まれ、臨床的治療法として確立するまでには至っていないのが現状である。我々はこれまでに、本研究においてLow Molecular weight Dextran Sulfate (LMW-DS)がIBMIRを効果的に制御し得ることを見出し、その臨床応用プロトコールの構築に成功し、さらに抗補体ペプチド剤を加えることによりIBMIRをより効果的に制御し得ることを明らかとし国際移植学会にて報告を済ませている。本年度は、異種膵島移植の臨床応用を視野に入れた至適免疫抑制プロトコールの基礎的検討を行い、プログラフ、デオキシスパーガリン、C5a阻害ペプチド、メシル酸ガベキセートの組み合わせが有望であることを見出すに至っている。一方、Co-stimulation blockade抗体によるアネルジー誘導プロトコールは、小動物における移植実験では有用であると思われたが、臨床応用に際してはブタ膵島の安定培養法を樹立する必要があるという課題が判明し、引き続きさらなる研究の継続が必要であると思われる。
すべて 2009 2008
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件)
Transplantation Proc 41(1)
ページ: 67-68
ページ: 311-313
最新医学 64(2)
ページ: 45-52
Xenotransplantation 15(4)
ページ: 225-234