レシピエントラットの左外頸静脈にポリエチエンチーブ(PE-90)をカニュレーションし、再灌流後120分間、0.01γ、0.03γでカルペリチドの持続静注を行う。プラセボ群では生理的食塩水を8ml/kg/hrで投与する。肝機能の機能はICG血漿消失率で蛍光法にて評価した。その他乳酸値、アミノトランスフェラーゼ、血液ガスのベースエクセスの血液データを解析した。さらに血圧、心拍数などの血行動態の他、心係数や末梢血管抵抗などのスワンガンツデータを分析した。全ての測定は、麻酔導入後、阻血開始直前、肝切除終了直後、肝切除終了直後60分の4ポイントで行った。カルペリチドは血行動態には影響を与えなかった。ICG血漿消失率と乳酸値はプラセボ群とカルペリチド群との間で有意差を認めた。一方で、PGE1群と対象群では両因子とも有意な差を認めなかった。ラット同所肝移植モデルで、カルペリチドにより再灌流障害が軽減される可能性が示唆された。
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