研究分担者 |
門松 健治 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80204519)
室原 豊明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90299503)
山本 清人 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10298359)
小林 昌義 名古屋大学, 医学部附属病院, 助手 (60329381)
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研究概要 |
Midkine(以下MK)はヘパリン結合性分泌蛋白で、その発現は胎生中期でピークを向かえ生後ほとんど発現されない。細胞増殖・生存・遊走・血管新生・トランスフォーメーション・線溶系などを促進する活性があることから、炎症との関連が確認されている。末梢動脈閉塞症に対するステント留置後の再狭窄におけるMKとの関係を検討するため、平滑筋細胞を用いたin vitroでの実験並びに高脂血症ウサギのステント留置モデルでの実験を行った。 a)in vitroでの実験:人大動脈平滑筋細胞を伸縮性のあるFibronectionでcoatingしたシリコンチャンバー上で培養することで生理的環境に近い状態としMK発現を検討したが差はなかった。続いて、BSOで刺激し酸化ストレス下でのMKの動きを評価したが変化はなかった。また、培養系での平滑筋細胞からも少量のMKが発現されていることから、平滑筋増殖抑制効果のあるPitavastatin存在下でのMK発現を調べたが抑制効果は確認されなかった。 b)高脂血症Rabbitのステント留置モデル実験:1%コレステロール食負荷で作成した高脂血症Rabbitモデルを作成。腸骨動脈にステントを留置し、1,3,7,14,28日後にSacrificeしてステントを除去した血管をHomoginizeして得た蛋白をWestern-blottigで解析しMKの発現をみた。MKの発現は3日目から上昇し、7,14,28と続いている結果が得られた。同様にRT-PCRでのmRNAレベルでのMK発現も確認された。 今後組織標本でのMK発現を確認し、その局在と浸潤マクロファージ、増殖平滑筋細胞、血管内皮細胞との関連を検討する。さらにはsiRNAをCoatingしたステントを作成し、MKをターゲットとした遺伝子治療実験を行う予定である。
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