研究課題/領域番号 |
18390344
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
古森 公浩 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40225587)
|
研究分担者 |
門松 健治 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (80204519)
室原 豊明 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (90299503)
山本 清人 名古屋大学, 医学部附属病院, 講師 (10298359)
小林 昌義 名古屋大学, 医学部附属病院, 助教 (60329381)
|
キーワード | Midkine / ステント / 血管内膜肥厚 / 再狭窄 |
研究概要 |
【目的】 Midkine(MK)はヘパリン結合性増殖因子であり、炎症に関与することがMK欠損マウスでの研究で証明されている。本研究では、高脂血症ウサギモデルを用いて、ステント留置血管におけるMK発現と新生内膜の関係について検討した。 【実験結果】 1) 動物実験:高コレステロール食によりステント留置後の新生内膜は有意に増加した。MKの発現量はWestern blotting法、RT-PCR法のいずれにおいても術3日後から増加し7日後にピークに達した。免疫組織学的検討では、新生内膜におけるMKの発現が確認された。7、14、28日後の標本での免疫染色(血管内皮、平滑筋細胞、マクロファージ、MK)では新生内膜の上層に平滑筋細胞が、下層にマクロファージが分布し、MKの分布は血管内皮とマクロファージと一致していた。また、MKとマクロファージに対する抗体での蛍光二重染色においてもマクロファージでのMK発現が確認された。2)細胞実験:THP-1によるマクロファージ分化モデルでは、THP-1からマクロファージへの分化前後でのMK発現量に変化はなかった。腹腔マクロファージは酸化LDLを取り込み泡沫化したが、この泡沫化によるマクロファージのMK蛋白の発現量にも変化はなかった。 【結論】 MKはステント留置後の新生内膜増殖において浸潤マクロファージを介して重要な役割を担っていた。今後はMKによる平滑筋細胞遊走増殖への分子機構を解明するとともに、MKを標的分子とした薬剤溶出ステントによるステント再狭窄予防への臨床応用が期待される。
|