肝臓移植に代わる治療法としての肝細胞移植の実現を目指して、マウスモデルでの基礎実験を前年度より引き続き継続した。 前年度の結果に基づいて、culture dishの上で細胞シートを作製。マウス皮下に「場」を確保し、移植した。その結果、皮下からの血管新生が促進され、細胞が安定して皮下組織に2次元、3次元的に構築されることを確認した。さらに組織学的あるいは血清中のアルブミンや血液凝固因子の解析から肝機能が維持される事が明らかとなった。同時に再生能力を有する事も明らかとなった。この効果は200日以上にわたり、維持される事が判明し、これまでに報告のない研究成果となった。 肝臓が作るタンパク質等の物質のうち、比較的少量でも人体に十分である血友病などにおいては、その臨床効果は十分にあると予想される。
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