研究課題/領域番号 |
18390355
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研究機関 | (財)動物繁殖研究所 |
研究代表者 |
日下部 守昭 財団法人動物繁殖研究所, 実験動物研究センター, 主任研究員 (60153277)
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研究分担者 |
柴田 雅朗 大阪医科大学, 医学部, 准教授 (10319543)
紅林 淳一 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (10248255)
橋本 尚詞 東京滋恵医科大学, 医学部, 准教授 (80189498)
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キーワード | 外科 / 生体分子 / 細胞外マトリックス / テネイシン / 抗体治療 / 細胞間相互作用 / 病理学 / トランスレーショナルリサーチ |
研究概要 |
1.各種ヒト癌細胞の増殖とテネイシン発現に与える環境の影響:ヒト扁平上皮癌(A431)及び乳癌(KPL4)を異なった培養条件下(単独培養、正常胎仔線維芽細胞との共培養、正常胎仔線維芽細胞培養上清添加培養)で培養し、5日目及び7日目の細胞増殖に与える環境の影響を検討した結果、A431は、培養条件による増殖への影響は見られなかった。一方、KPL4は、共培養及び胎仔線維芽細胞培養上清添加によって増殖を促進されることが分かった。A431は、培養下でテネイシンを殆ど分泌しないが、単独培養5日目の細胞あたりの発現を基準にすると、5日目では共培養で5.5倍、上清添加で2.1倍の上昇が見られるが、7日目の細胞あたりの発現を基準にすると、5日目では共培養で5.5倍、上清添加で2.1倍の上昇が見られるが、7日目では、単独は23%、共培養は60%に、上清添加は44%に減少していた。一方、細胞当りでの発現を見ると、5日目では共培養が2.1倍であり、上清添加は3.4倍であった。7日目となると単独が1.1倍と変わらず、共培養が0.75倍と低下するものの、上清添加は3.4倍であった。7日目となるとた。以上より、細胞によって細胞増殖及びテネイシン発現に関して環境依存性が異なっていることいより本治療法の適応癌には選択が必要であることが分かった。 2.ヒト卵巣癌細胞(2008)とヒト乳癌細胞(KPL4)移植腫瘍に対する抗テネイシン(TN)抗体及び抗TIF抗体の腫瘍成長抑制効果の検討:各癌細胞をヌードマウス背部皮下に1匹当り1X10^6個打ち、腫瘍を形成させた。1週間後から、抗TN抗体、抗TIF抗体(125μg/shot/3日毎)を投与し、4週目又は5週目に組織採取した結果、2008は、両抗体で成長抑制が見られた(抑制率TN:41〜66とTIF:53〜56%)。一方、KPL4腫瘍の抑制に関しては、抗TN抗体は、殆ど効果がなかったが、抗TIF抗体は、23%と弱いながらも抑制した。 3.抗TN抗体、抗TIF抗体投与後の卵巣癌移植腫瘍における遺伝子発現解析:抗体投与によって引き起こされる遺伝子発現プロフィールをマイクロアレイ解析した。現在、両抗体により変動した遺伝子を抽出中である。
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