研究課題/領域番号 |
18390380
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
富田 幸裕 九州大学, 大学院医学研究院, 助教授 (90180174)
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研究分担者 |
吉開 泰信 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (90158402)
田ノ上 禎久 九州大学, 大学病院, 助手 (40372742)
梶原 隆 九州大学, 大学病院, 医員 (30403942)
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キーワード | 免疫寛容誘導 / cyclophosphamlde / NKT細胞 / NKT KOマウス / キメリズム |
研究概要 |
背景 移植医療の問題点は慢性拒絶反応と免疫抑制剤による副作用である。免疫寛容による臓器移植は、免疫抑制剤を使用せずに拒絶反応を抑える一つの方法である。CP(cyclophosphamide)誘導性免疫寛容誘導では、108個のアロ脾細胞(SC)投与2日後に200mg/kgのCPを腹腔内投与することで誘導される。抗原特異的寛容は、ドナー・レシピエント間の抗原の差により決定される。 目的 近年、腫瘍免疫、自己免疫、感染免疫におけるNKT細胞の関与が明らかにされている。移植免疫においても寛容誘導にNKT細胞が関与していることが報告された。CP誘導性免疫寛容誘導におけるNKT細胞の調節機序を検討した。 研究成果 NKT KOレシピエントでは、皮膚移植片は慢性拒絶され、胸腺でのdonor mixed chimerismは認めず、胸腺でのアロ特異的T細胞のclonal deletionが成立しなかった。100日以上の長期皮膚移植片の生着が得られたWTマウスの脾細胞を、放射線照射NKT KOマウスに養子移入することで皮膚移植片の生着延長が認められた。100日以上の長期皮膚移植片の生着が得られたNKT KOマウスの脾細胞を、放射線照射NKT KOマウスに養子移入しても、皮膚移植片の生着延長が認められた。以上の結果により、NKT細胞は胸腺での中枢性寛容の誘導(clonal deletion)とキメリズムの維持、寛容誘導後期の末梢性制御に働いていると考えられた。
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