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2006 年度 実績報告書

医工連携に基づく組織細胞工学を応用した革新的ハイブリッド大動脈弁の実用化研究

研究課題

研究課題/領域番号 18390383
研究機関東邦大学

研究代表者

尾崎 重之  東邦大学, 医学部, 助教授 (10366453)

研究分担者 大関 泰宏  東邦大学, 医学部, 助手 (90339151)
梅津 光生  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (90132927)
岩崎 清隆  早稲田大学, 付属研究所, 講師 (20339691)
佐々木 伸雄  東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (60107414)
キーワード組織細胞工学 / 脱細胞化 / ハイブリッド大動脈弁
研究概要

【脱細胞化大動脈弁の開発】大動脈弁は肺動脈弁と異なり、高血流速、高圧環境下に暴露されるため、大動脈弁の脱細胞化はとても重要である。完全に脱細胞されることで優れた抗石灰化特性を呈し、耐久性は向上する。しかしながら一方で脱細胞による強度の低下も報告されており、強度を低下せずに脱細胞する手法が必要である。われわれが開発したデオキシコール酸・バイオリアクター・マイクロ波照射・拍動流を用いた脱細胞化法はドナー大動脈弁の完全脱細胞化を可能にし、強度試験でも未処理大動脈弁と強度に差を認めなかった。
【大動物を使った慢性実験】ブタの胸部下行大動脈に脱細胞化大動脈弁を移植した。カテーテル的に生来の大動脈弁にIII度以上の大動脈弁閉鎖不全症(AR)を作成した。AR作製前、移植弁は開口したままで閉じることは全くなかった。しかしながらAR作製直後より移植弁の開閉は良好で、拡張期に移植弁の完全閉鎖も確認された。移植後3ヶ月、6ヶ月後に経食道エコー検査施行後、弁を取り出し、胸部X線、病理学的検査を施行した。
【結果】脱細胞化大動脈弁を移植されたブタに死亡例はなく、経食道エコー検査では脱細胞化大動脈弁の開閉は良好で、逆流を全く認めなかった。脱細胞化大動脈弁は3ヶ月、6ヶ月の移植弁ともに弁尖に亀裂や穿孔などの変化を全く認めず、大動脈壁の瘤化や拡大等の所見も見られなかった。胸部X線では弁尖の石灰化も全く認めなかった。病理学的検査では3ヶ月、6ヶ月ともに石灰化はなく、6ヶ月の移植弁で弁尖の先端まで内皮細胞の被覆が確認された。
【結語】大動物を使った慢性実験で我々が開発したハイブリッド大動脈弁の耐久性が証明された。今後は臨床応用を目指したい。

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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