研究課題/領域番号 |
18390388
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
冨永 悌二 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (00217548)
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研究分担者 |
井小萩 利明 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (90091652)
高山 和喜 東北大学, 先進医工学連携機構, 教授 (40006193)
牧志 渉 東北大学, 先進医工学連携機構, 助手 (60400454)
松浦 祐司 東北大学, 工学系研究科, 助教授 (10241530)
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キーワード | 医療工学 / レーザー工学 / 低侵襲医療 / Ho: YAGレーザー / アジ化銀 / ラット |
研究概要 |
本研究は脳神経外科領域における衝撃波医療応用としての初の試み(平成13年度開始)の延長である。本研究の目的は「頭蓋内埋め込み式衝撃波治療装置を用いた術中・術後脳内ドラッグデリバリーシステムの開発」で、具体的には脳腫瘍摘出術中および脳腫瘍摘出後の照射腔周囲に衝撃波を用いた薬剤導入システムを開発し、脳腫瘍治療において低侵襲、効率的かつ効果的な局所制御方法を開発することである。その実現にあたり、本研究期間内では、1).先行研究で明らかになった脳腫瘍細胞に対する衝撃波照射後の薬剤導入増強効果に関する知見を動物実験において検証、2).脳表近傍において衝撃波を照射した際の衝撃波動態を検証、3).脳表近傍で使用可能なマイクロサイズの衝撃波治療装置の開発、を目的とした。 1).については、ラットを用いた脳腫瘍モデルを作製、照射実験を開始した。まだ安定した実験結果が得られる段階には至っていないため、次年度はモデル作製に重点を置く予定である。 2).については、アジ化銀をラット脳表に照射した際の組織学的損傷閾値と損傷機序に関して組織学的、免疫組織学的に詳細な検討を行った。その結果、組織学的損傷閾値は1MPa程度であることが判明した。これとは別に衝撃波照射後神経細胞にアポトーシスを誘導する点、アポトーシスはpan caspase inhibitorであるz-vad-FMKにより阻害されることからこの経路はcaspase dependentである可能性が示唆され、英文誌に掲載された。次年度は脳深部の変化、特に血液脳関門が衝撃波によりどういった変化を示すかに関して詳細な組織学的・免疫組織学的検討を行う予定である。 3).マイクロサイズの衝撃波治療装置に関しては従来のホロミウムYAGレーザー水中細管内発振を用いた方法以外にダイオードレーザーを含めた他のエネルギー源を用いて小型化を進めるための検討を継続している。来年は小型化衝撃波発生装置の試作品開発を目標に掲げたい。
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