研究概要 |
悪性神経膠腫におけるCD133発現を免疫組織学的に判定したが、その発現は弱くCD133 isolation kitを用いた、脳腫瘍幹細胞の分離は困難と考え、従来のprimary sphere cultureを用い、脳腫瘍幹細胞分離を行うこととした。腫瘍幹細胞の評価の為、stemness marker (SOX,Bmi-1,nestin等)による免疫組織学的評価を行った。microRNA発現解析には、凍結標本よりmirViana miRNA Isolation Kitを用いmicroRNAを含むtotal RNAの抽出を行い、20例のRNAサンプルを抽出した。発現解析にはTaqMan MicroRNA Assayを用いて、解析可能であることを確認した。 Retrospectiveに脳腫瘍サンプルの遺伝子異常、シグナル伝達異常を解析した。Genotypeに関しては、当教室で確立されたmicrosatellite markerのパネルを用いた解析を継続しており、さらにAffimetrix Mapping SNP Arrayを用いゲノムワイドにLOH、copy数の評価を行い、解析結果を蓄積している。シグナル伝達系の評価にはEGFR, EGFRvIIIの発現及びその下流であるPI3K-AKT,RAS-MAPK,JAK-STAT3シグナルの活性化をリン酸化特異的抗体を用い、免疫組織学的に評価した。109例の悪性神経膠腫の免疫組織学的に解析を行い、74例(68%)の症例でAKTシグナルが活性化しており、これらの群は予後不良であった。これらの研究成果は第65回日本脳神経外科学会総会で報告した。
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