研究概要 |
外科的切除術を行った神経膠腫症例において凍結標本を保存し、解析を継続している。 脳腫瘍幹細胞の分離、同定 9例のglioblastoma(GB)摘出標本より幹細胞培養を行い、3例でsphere形成を確認した。2例でRNA抽出を行い、RT-PCRにてEGFRvlll発現が維持されていることを確認した。さらに1例はLOH解析を行い、genotypeの維持を確認した。Stem cell marker(C133,nestin,SOX2)を用いた免疫染色にてstemness維持の確認を行った。 MicroRNA発現評価 128例のglioma(GB93例、anaplastic asrocytoma(AA)15例、anaplastic oligodendroglioma(AO)9例、diffuseastrocytooma10例)の凍結標本より、microRNAを含んだtotalRNAとDNAを抽出した。genotypeを基にGB8例とAA4例を選択し、real time PCRを用いて、網羅的に365個のmicroRNA発現解析を行い、AAとGB間に有意差を認めた。 網羅的遺伝子解析 AffimetrixSNPArrayを用いゲノムワイドにLOH、copy数の評価を行った。GB14例の腫瘍、血液DNAをSNP arrayを用いて解析した。従来のmicrosatellite markerと同等の精度で網羅的LOH評価が可能である。さらに本法を用いることによりコピー数の変化を伴わないLOHを高頻度に同定することができた。 シグナル伝達異常評価 gliomaにおいて、その悪性化に最も深く関与していると考えられる。EGFRvlllの発現解析を行った。Malignant glioma108例(GB93例、AA15例)中、GBの24例にEGFRvlllの発現が認められた。
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