研究概要 |
方法(1)下垂体腺腫62例のパラフィンブロック(NF-oma19例、GH-oma20例、PRL-oma11例、TSH-oma6例、ACTH-oma6例)をもちいてtissue microarrayを作成し、蛍光免疫染色を行った。蛍光pixelよりRECKの発現をbeta actinとのrelative expression indexを算出し、subtype, size, Knosp gradingごとに解析した。 (2)ヒト非機能性下垂体腺腫細胞HP-75を対照として、HP-75にRECK full length mRNAをtransfectして強制発現させたもの、RECKをターゲットとしたsiRNAでgene silencingした細胞を作成し、RT-PCR, Western blottingで発現の変化を確認した。zymography, reverse zymographyでMMP, TIMPの分泌の変化を解析し、3-D invasion assayを行った。 結果(1)RECK発現はnon-functioning adenomaに高く、GH, PRL産生adenomaに有意に低かった。一方でKnosp gradingの低いmicroadenomaに有意に高かった。(2)HP-75細胞のRECKを強制発現させた細胞はMMP-2,-9の活性化や分泌が低下し、一方でgene silencingさせた細胞では逆に上昇していた。3-D invasion assayでは同様にRECKは細胞浸潤を抑制していた。 結論下垂体腫瘍細胞では細胞外でMMP-2,-9の活性をRECKが抑制し、同時に細胞内ではcell cycleを制御するsignal cascadeを制御していた。RECKは下垂体腺腫の成長および浸潤をdown-regulateする膜表面にdomainを有する蛋白であることが明らかとなった。
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