研究課題/領域番号 |
18390407
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
星地 亜都司 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (70236066)
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研究分担者 |
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 客員助教授 (30344451)
緒方 直史 東京大学, 医学部附属病院, 客員教員 (10361495)
原 慶宏 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (00422296)
原 由紀則 東京大学, 医学部附属病院, 医員 (30396741)
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キーワード | 骨・軟骨代謝学 / 疾患モデル動物 / 分子生物学 |
研究概要 |
生理的な力学的負荷(メカニカルストレス)は正常な軟骨細胞代謝と関節軟骨の恒常性の維持に必須であるが、その分子メカニズムの詳細は不明である。微小重力環境などのメカニカルストレス微小負荷時には軟骨細胞の初期分化や基質合成が抑制され、関節軟骨は変性・萎縮すると考えられる。一方、メカニカルストレス過剰負荷時には軟骨細胞の後期分化と基質分解が促進し、関節軟骨は変性破壊を生じる。本研究では特に軟骨の発生や成長に必須の分子シグナルであるRunx2シグナルとSox9シグナルに着目し、メカニカルストレス負荷モデルを確立してマウス関節軟骨における変化を分子レベルで解析し、遺伝子改変マウスを用いた検証を行っている。 現在、研究計画に従い野生型マウスおよび遺伝子改変マウスを用いてメカニカルストレスの過剰負荷モデルおよび微小負荷モデルを作製し、生理的条件下で飼育したマウスと比較検討している。野生型マウスを用いたメカニカルストレス過剰負荷モデルを解析した結果、メカニカルストレス過剰負荷により関節軟骨細胞の肥大化とMMP-13発現が誘導された。一方、Runx2ヘテロノックアウトマウスを用いたメカニカルストレス過剰負荷モデルでは関節軟骨細胞の肥大化とMMP-13発現の誘導が低下した。このため、メカニカルストレス過剰負荷による関節軟骨細胞の肥大化とMMP-13発現が誘導はRunx2を介していることが示唆された(Arthritis Rheum 54:2462,2006)。Sox9の分子シグナルの検討については、Sox trioに関するDNAマイクロアレイを用いた解析からSox trioの肥大化・石灰化抑制の標的分子としてS100A1,Bを同定した(EMBO Reports, in press)。また、軟骨の石灰化に関連する新規軟骨特異的分子Carminerinのノックアウトマウスにメカニカルストレス過剰負荷モデルを適用したところ、軟骨変性破壊に伴う骨棘形成が野生型マウスに比べて抑制された(Nature Med 12:665,2006)。
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