| 研究課題/領域番号 |
18390408
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| 研究機関 | 東京大学 |
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研究代表者 |
高取 吉雄 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (40179461)
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| 研究分担者 |
鄭 雄一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (30345053)
茂呂 徹 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (20302698)
大西 五三男 東京大学, 医学部附属病院, 専任講師 (70311628)
苅田 達郎 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80359611)
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| キーワード | 外科 / 医療・福祉 / シミュレーション工学 |
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| 研究概要 |
(1)骨モデルの作製
立体骨モデルは、あらかじめ撮影したCT画像をもとにインクジェッ粉末積層装置を用いて作製している。材料として石膏が主に使用されるが、骨モデルの作製工程が改良に伴い骨切り用のボーンソーの使用、人工股関節置換用手術器具(寛骨臼リーマー)の使用への対応が可能となった。
(2)骨モデルの特性
圧縮試験ISO604(JIS K7181)準拠の結果、圧縮応力は平均5.73MPa、圧縮ひずみ0.4%、圧縮弾性率は2400MPaであった。
(3)手術シミュレーションへの応用
同意のもとに、数十例の症例に対して術前のCT画像を元にコンピュータの仮想空間(Mimics 10 ; Materialise社製)上で手術計画を行うと同時に、実物大骨モデルを用いた手術シミュレーションを実施した。A)骨切り術については、寛骨臼の前壁欠損の強い症例や臼蓋形成不全が特に高度な症例対して、骨切りの位置や回転骨片の設置位置を再確認でき正確な手技の遂行に有用であった。B)人工関節置換術及び人工関節再置換術については、人工関節の設置位置と方法は術後の予後に大きく影響すると同時に、神経・血管などの損傷を来たさず安全に手技を遂行するためには重要であるが、実際の手術を安全に遂行するイメージの補完に有用であった。C)高度な骨変形を伴う奇形や骨系統疾患に対する矯正骨切り術は、病的に変形した骨を一旦切り離して正常に近い形に再接合するものである。骨切りの位置、手術器具の進行方向、骨切り片の大きさ、矯正の具合をシミュレーションすることが可能であった。D)骨系統疾患症例に対する人工関節手術については、既存の人工関節とカスタムメイド人工股関節の適応が適正に判断できた。
(4)外科医の技量向上のための教育ツールとしての利用
正常の解剖に比べて特に形態が異なる症例に対しては、術前シミュレーションは術者のイメージを補完し助手とイメージを共有する上で有効あった。
(5)課題
シミュレーションと同様の手術をするためのナビゲーションシステムとの連携とその効果の評価を科学的に行うことが今後の課題である。
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