研究分担者 |
二宮 善文 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (70126241)
西田 圭一郎 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 准教授 (80284058)
成瀬 恵治 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40252233)
小川 弘子 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (70423283)
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研究概要 |
1:アグリカナーゼ誘導に関わる細胞内分子メカニズム Wister系胎児ラットの膝関節から軟骨細胞を分離培養し、メカニカルストレスを加え、ストレス刺激時のアグリカナーゼ発現誘導を調べた。最終的に7%伸展(0.33または0.5Hz)で刺激後、0.5,2,6,12時間後にRNAを抽出し、各アグリカナーゼ発現の変化を検討したところ、アグリカナーゼ-2であるADAMTS 5は殆ど発現レベルに変化を生じないのに対して、ADAMTS1,4,9はいずれも発現が上昇している結果が得られた。 次にADAMTS9の発現誘導に関わる細胞内転写因子およびその結合部位に関する研究を行った。まず、ヒトADAMTS9のプロモーター部位をgenomic PCRにて得ることに成功した。異なった長さのDNAをルシフェラーゼアッセイ用のベクターに組み込んでコンストラクトを作成しルシフェラーゼアッセイを行い最もプロモーター活性の強いコンストラクトを決定した。 2:ラットOAモデルおよびマウス成長軟骨におけるADAMTS9発現動態の解析 雄性Wisterラット(200-300g)を用いて変形性関節炎モデルを作成し免疫染色を行った。関節破壊が進行しているステージではADAMTS9陽性細胞を多数認めたが、一方進行した時期ではむしろADAMTS9陽性細胞は減少していた。 次に、0週,7週,14週齢雄ICRマウスにおけるADAMTS-9のmRNA発現の検討を行った。マウス脛骨成長軟骨において、ADAMTS-9は成熟軟骨細胞層で一部陽性、肥大軟骨細胞においては、mRNAレベルで強く発現していた。成長軟骨における軟骨分化過程において、軟骨細胞が肥大化する際に、周辺のマトリックスを分解する手段の一つとしてADAMTS-9が関与する可能性があると考えられた。
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