研究概要 |
今年度は、良悪性軟骨性腫瘍のマイクロアレイCGHを行った。 症例は、当施設にて治療を行い、患者の同意の元に採取し凍結保存した22例(内軟骨腫9例、grade 1軟骨肉腫8例、grade 2 3例、grade 2例)を用いた。対照として健常人末梢血DNAを用いた。凍結組織からゲノムDNAを抽出し、ゲノムDNAを増幅後、酵素処理を行い、標識反応は4μgの増幅DNAを使用し、Cy3-dCTP/Cy5-dCTPを用いて行った。標識したDNAをマイクロアレイにハイブリダイズさせ、DNA Microarray Scannerで取り込み後、Feature Extraction Softwareを用いて数値化した。Log ratio+/-2.0以上をgain、lossとし、両腫瘍とも半数以上で見られた領域のうち、Log ratio p<0.05の領域について検討を行った。 内軟骨腫で20箇所のgain、14箇所のloss、軟骨肉腫で41箇所のgain、16箇所のlossが認められた。腫瘍特異的な領域は、gainが内軟骨腫で9q34、軟骨肉腫で11p15.4、12q13.2、17q12、lossが内軟骨腫で13q12、軟骨肉腫で13q14であった。内軟骨腫、軟骨肉腫両方で認められた領域は、gainが2q12.I-2(60%),6p22(60%),7q11.2(53%)、15q13.2 53%)、21q22.1(60%)、22q13.3(60%)、lossが1q21.3(87%)、6p21.3(73%)、7q22.1(60%)、19q13.2(67%)、20q11.2(93%)、20q13.I-2(80%)であった。 内軟骨種、grade l軟骨肉腫において、DNAのコピー数の変化は同様の傾向にあった。しかし、個々の遺伝子の差は検出可能であった。
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