研究課題
骨系統疾患の原因遺伝子の同定とその変異の解析、及びそれに基づく骨系統疾患の分子病態の解析、遺伝子レベルでの診断法の開発、遺伝子診断システムの構築を目的として研究を行ない、本年度は以下のような成果を得た。1)致死性の骨系統疾患である蝸牛様骨盤異形成症(Schneckenbecken dysplasia;SBD)の原因遺伝子SLC35D1(solute carrier 35D1)を世界に先駆けて発見した(Hiraoka, et. al.Nature Med2007)。2症例でSLC35D1の機能を完全に欠損させる変異遺伝子を同定した。これにより、SBD及びその関連疾患の遺伝子診断が可能となった。同時に、骨格の形成には糖鎖の代謝が重要な役割を果たしており、糖ヌクレオチド輸送体を中心とした糖鎖科学からの原因究明のアプローチが、骨・関節疾患の病態解明に不可欠であることが明らかとなった。2)家族性のLegg-Calve-Perthes病の日本人家系1家系にて、II型コラーゲン(type II collagen)遺伝子(COL2A1)の変異を発見した(Miyamo to, et. al. Hum Genet2007)。これは、Legg-Calve-Perthes病の世界で最初の原因遺伝子の報告である。これにより、Legg-Calve-Perthes病にも遺伝的要因が深く関わっていることが明らかになった。
すべて 2007
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Nature Med 13
ページ: 1363-1367
Hum Genet 121
ページ: 625-629