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2008 年度 実績報告書

脳梗塞時における睡眠・覚醒サイクル異常の解明-オレキシン動態からその機序に迫る-

研究課題

研究課題/領域番号 18390427
研究機関帝京大学

研究代表者

福田 悟  帝京大学, 医学部, 教授 (30116751)

キーワードオレキシン / 脳梗塞 / 睡眠・覚醒障害 / HMGB1 / 免疫組織染色 / 脳室内 / 虚血・再灌流
研究概要

脳梗塞時に何が睡眠・覚醒サイクルの異常を来すかを探求することが本研究の課題である。近年、サイトカインが睡眠覚醒に影響を及ぼす事が明らかになった。脳虚血・再灌流により細胞が壊死に陥ると、核内でクロマチンを安定化する作用のあるhigh-mobility group box1(HMGB1)蛋白が細胞外に放出される。HMGB1にはサイトカイン様作用があり、本年度は(1)中大脳動脈虚血・再灌流(MCAO)モデルにてHMGB1を形態学的に検出、(2)HMGB1を脳室内投与した時に睡眠・覚醒サイクルがどのように変化するかを検討した。[方法]体重250-350g Wistarラットを用いた。MCAOモデルは虚血・再灌流後1,4,10,22時問後の脳を摘出し、HMGB1に対して免疫組織染色を施行した。脳室内投与モデルでは実験5〜7日前に、脳室内ガイドカニニューラをBregma-0.8mm、外側1.5mm、深さ4.0mmに留置腫し、脳波、項部筋電図電極を歯科用セメントで固定した。実験当日、2%イソフルラン麻酔下で脳室内ガイドカニューラより生理食塩水(対照群)またはHMGB1(1μg)を5μ1注入した後、恒温・恒湿チャンバー内で脳波・筋電図を3時間記録し覚醒、REM、non-REM睡眠時間(%)をSleepSign[○!R]で解析した。[結果]HMGB1は早いモデルで再灌流1時間からpenumbra領域に出現した。脳室内HMGB1注入後3時間での覚醒時間、REM睡眠時間、non-REM睡眠時間の割合は、生食群では57.4±1.9、7.0±3.7、35.5±4.4%、HMGB1注入群では31.0±4.3、7.9±3.5、61.1±3.0%(p<0.0001:2元配置分散分析)でHMGB1群で有意にnon-REM睡眠時間の延長と覚醒時間の短縮(p<0.001:unpaired t test)がみられた。REM睡眠時間は両群間で有意な差はなかった。[結論]脳梗塞時に放出されるHMGB1には睡眠誘発作用があることが明らかとなり、この蛋白の作用により種々の覚醒神経該に影響を及ぼす事が推測される

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Sleep arousal disorder after hypothalamic infarction in rats2008

    • 著者名/発表者名
      Ogura M, Fukuda S, et al
    • 学会等名
      2008 Annual Meeting of American Society of Anesthesiologists
    • 発表場所
      Orlando, FL, USA
    • 年月日
      2008-10-20
  • [学会発表] ラット中大脳動脈閉塞・再濯流によるオレキシン細胞壊死2008

    • 著者名/発表者名
      小倉舞, 福田 悟, 他
    • 学会等名
      日本麻酔科学会第56回学術集会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2008-06-12

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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