研究課題
尿路性器癌に対する抗癌剤耐性獲得における新規分子機構としてMAPK familyのひとつでありストレス応答分子のひとつであるJNKならびにその関連分子に着目し研究を実施した。特に「薬剤耐性化関連分子とストレス応答分子とのクロストーク」としてJNK、REIC/Dkk-3、HSP70をはじめとするJNK関連ストレス応答分子の発現、またREIC/Dkk-3導入による耐性の克服の有無について解析した。特にがん細胞に対してアポトーシス誘導能を有するREIC/Dkk-3が耐性獲得抑制、耐性克服もしくは感受性増強のための標的となる可能性を有するか否かを解析した。すでに精巣腫瘍細胞(NCCIT)、腎癌細胞RENCAに対する解析研究を行ってきたが、発展的な研究として前立腺癌と同様に内分泌療法療法が無効となった場合抗がん剤が選択される乳癌についても研究を実施し、抗がん剤耐性化乳癌細胞へのREIC/Dkk-3導入による抗がん剤への感受性獲得を確認した。とくに、ドキソルビシン抵抗性細胞にREIC/Dkk-3導入することによりドキソルビシンの感受性が回復することを確認し、JNKの活性化が生じていることを確認した。またJNK阻害剤によりその効果も阻害されることをも確認した。この結果は将来の癌治療において新たな治療戦略を生み出す可能性を示唆しており、われわれは「抗癌剤耐性癌において抗癌剤増強作用を有する癌細胞死誘導剤。」という名称で特許申請を実施するとともに、論文投稿をおこなった。
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