研究課題/領域番号 |
18390450
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
片渕 秀隆 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (90224451)
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研究分担者 |
田代 浩徳 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70304996)
大竹 秀幸 熊本大学, 医学部附属病院, 助教 (60336237)
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キーワード | 上皮生卵巣癌 / 類内膜腺癌 / 明細胞腺癌 / PI3K / Pten / Wint / β-catenin / K-ras / 不死化ヒト卵巣表層上皮細胞株 / HPV E7 / hTERT導入 |
研究概要 |
近年、日本において上皮性卵巣癌(卵巣癌)は著しい増加を示している。特に、子宮内膜症に関連する類内膜腺癌と明細胞腺癌の増加が、日本の卵巣癌の急激な増加の一因となっている。本研究においては、卵巣癌の主な4つの組織型の中でも内膜症病変に関連する類内膜腺癌と明細胞腺癌に焦点を絞り、その発癌機構を明らかにするとともに、卵巣癌の組織型を考慮に入れた個別化した治療法の開発ならびに分子標的治療への応用を目的とする。今回、われわれは、米国University of Michigan Medical School、Kathleen R. Choらとの共同研究により、ヒト卵巣類内膜腺癌おいては、k-rasの変異の頻度が低く、また、PTENの変異を有するものにWnt/β-cateninの異常を伴っていることが多いことが判明した。さらに、マウスの卵巣表層上皮細胞において、これらの遺伝子を改変することによって類内膜腺癌類似の腫瘍を形成させることができた。しかし、ヒト卵巣表層上皮細胞である不死化HOSE-E7/hTERT細胞では、p53の不活化とk-rasの活性化が足場非依存性増殖能を高める上で重要であり、また、c-mycやAKTの活性が加わることで造腫瘍能を獲得することが明らかとなった。さらに、c-mycとAKTを導入した細胞では、それぞれ異なる組織型の腫瘍が得られた。しかし、いずれも分化度の低い腫瘍形態を示し、間葉系細胞との同時移植による方法で組織型への影響を検討している。
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