研究概要 |
Hlfooモルフォリーノによる機能抑制実験の結果、免疫染色およびウエスタンブロットにてインジェクション後20時間でHlfooが減少している傾向が見られ,44時間では検出されなかった.また、 MOインジェクション卵においてコントロールに比べ卵成熟率は低下したが,単為発生率に差は見られなかった.さらにmRNA同時インジェクションのレスキュー実験では、MOのみインジェクションした卵に比べ卵成熟率は上昇した.MOインジェクション卵においてコントロールに比べ卵成熟率は低下したが、単為発生率に差は見られなかった。従って、哺乳類卵子においてHlfooが卵成熟過程に関与していることが示された。Hlfooノックアウトマウスの作成は、今回、DNAに結合すると考えられているexon2の部分を欠損させたマウスを作成することとし、クラボウ社を通じて米国のiTL社においてヘテロマウスの作成を依頼した。iTL社において、ターゲティングベクターの設計・構築ならびにES細胞への導入が行われ、設計通りのネオマイシンカセットが導入されたES細胞が得られた。更にマイクロインジェクションが行われ、キメラマウスの作成およびヘテロマウスが作成された。平成19年7月、ヘテロマウスメス2匹とオス1匹が米国iTL社より慶磨義塾大学医学部動物実験センターに搬入され、ファウンダー系統の維持・繁殖及びホモマウスの作成を行った。得られたホモマウスの表現形解析を開始し、HlfooKOマウスでは、卵子発育が抑制される傾向が得られた。
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