研究分担者 |
小林 俊光 東北大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80133958)
熊谷 泉 東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (10161689)
池田 勝久 順天堂大学, 医学部, 教授 (70159614)
津本 浩平 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 助教授 (90271866)
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研究概要 |
Prestinは哺乳類内耳外有毛細胞の細胞膜に高密度に発現している膜タンパク質である.細胞膜電位が変化すると,prestinは細胞内の陰イオンを輸送し,それに伴い構造変化すると考えられている.そして,その構造変化は外有毛細胞の伸縮運動を引き起こすと推察されている.Prestinについてその同定以来様々な研究が行われてきたが,prestinの形状や構造変化メカニズムは解明されていない.そこで本研究では,これまでに構築したFLAGタグ融合型prestinを安定発現する細胞からprestinを抽出精製し,精製prestinの活性を等温滴定型カロリメータを用いて評価した. まず,prestinを細胞から抽出するため,12種類の界面活性剤から最適なものを限界ミセル濃度及び細胞の可溶化率に基づき選択した.抽出したprestinを,FLAGタグを利用しアフィニティークロマトグラフィーで精製した.Prestinの精製度はSDS-PAGEで評価し,以降の実験に十分な純度まで精製できていることを確認した.次に,精製prestinが活性を有しているか,精製prestinと塩化物イオンとの相互作用を等温滴定型カロリメトリーにより評価した.その結果,精製prestinは塩化物イオンと相互作用し,活性を有していることが示された.今後,精製prestinを脂質二重層の平面膜にならびにリポソームに再構成し,精製prestinの形状を原子間力顕微鏡で,電気特性をパッチクランプ法で明らかにすることを目指す.
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