研究課題/領域番号 |
18390460
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
島田 昌一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20216063)
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研究分担者 |
村上 信五 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80157750)
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (20326135)
石田 雄介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教 (30381809)
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キーワード | 聴覚 / 内耳 / 有毛細胞 / イオンチャネル / ノックアウトマウス |
研究概要 |
内耳の有毛細胞に局在する聴覚受容に関与するイオンチャネルとして酸感受性イオンチャネル遺伝子ファミリーの2つのサブタイプASIClbとASIClaを同定し、両者のイオンチャネルがコルチ器の有毛細胞に発現していることを示した。また、これらのイオンチャネルが、低浸透圧などの細胞膜の張力を増加させる条件下で、活性化することを示した。この二つのサブタイプの中でも内耳の内有毛細胞や外有毛細胞に発現している最も主要なサブユニットと考えられるASIClbのノックアウトマウスを作成し聴覚検査を行ったところ、部分的な難聴を示した(東京医科歯科大学喜多村先生との共同研究)。 走査電子顕微鏡や共焦点レーザー顕微鏡を用いてASIClbのノックアウトマウスの内耳の有毛細胞を形態学的に観察したところ、感覚毛、チップリンク、ホリゾンタールトップコネクターなどの内耳の微細構造は正常に保たれていたので、部分的な難聴の原因はASIClbのチャネル機能が消失したことが、主な原因ではないかと考えられた。そこで、現在ASIClaとASIClb遺伝子の共通部分に挿入部を入れたベクターを構築し、ASIClaとASIClbのダブルノックアウトマウスを作成中である。また、このイオンチャネルと協力して聴覚受容に関わると考えられるT型カルシウムチャネルが内耳の有毛細胞に発現していることを明らかにし、その特性を電気生理学的に解析した。
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