研究課題/領域番号 |
18390460
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
島田 昌一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20216063)
|
研究分担者 |
村上 信五 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80157750)
石田 雄介 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30381809)
|
キーワード | 聴覚 / 内耳 / 有毛細胞 / イオンチャネル / ノックアウトマウス |
研究概要 |
我々は内耳有毛細胞で聴覚受容に関連するイオンチャネルとしてASIC1bを同定したが、さらに実験を進めることにより、このASIC1bと共役するサブユニットとしてASIC1aが考えられた。ASIC1aとASIC1bは同一遺伝子から生じるスプライシングバリアントなので両者の共通領域を標的にノックアウトマウスを作成することにより、両者のダブルノックアウトマウスを作成することができる。その方法として、マウスゲノムライブラリーをスクリーニングし目的のASIC1遺伝子のゲノムを得、ベクターのデザインを決め、ゲノム配列を元にベクターを構築した。エレクトロポレーションによってES細胞にベクターを導入し、G418による選択培養を行い、相同組換えの起こったクローンを選出し、マイクロインジェクション法によりキメラマウスを作成し、キメラマウスの交配後、ジャームライントランスミッションを確認し、ヘテロマウスを作成した。C57BL/6とバッククロスを行い、最終的にホモのASIC1a/ASIC1bダブルノックアウトマウスを作成した。このASIC1bとASIC1aのダブルノックアウトマウスを用いて、ABR(Auditory Brainstem Response;聴性脳幹反応)とDPOAE(Distortion Product Otoacoustic Emission;歪成分耳音響放射)の二通りの方法で他覚的聴覚検査を行ったところ、まだ予備実験の段階ではあるがASIC1b単独のノックアウトマウスよりも重篤な聴覚障害を示すマウスが一部存在した(東京医科歯科大学喜多村先生との共同研究)。今後、ダブルノックアウトマウスの繁殖を進め、さらに詳細な解析を進める。
|